空き家所有者が、空き家活用しない理由

空き家の所有者は、空き家を所有しながら、どのように活用したら良いのかわからない方がほとんどです。

bluetoでは、空き家活用を提案しているのですが、まだまだ良質な空き家の活用をしきれていないので、非常に勿体ないと思っています。

たくさんの空き家所有者さんからお話を伺う中で、良い空き家を所有するにもかかわらず、なぜ空き家を活用しないのか、理由をまとめてみました。



丹後の賃貸物件の背景

空き家所有者が、空き家活用しない理由を紹介するその前に、丹後の賃貸のお話をしたいと思います。

じつは、丹後地域では一軒家の賃貸が不足しています。

bluetoには一軒家の賃貸物件を探しているとの問い合わせが数多くあるのですが、紹介できる物件が丹後にはほとんどありません。

先日、新築の賃貸アパートが峰山町にできましたが、話を聞くと、建物が建つ前から全室満室とのことでした。

アパートの家賃平均が5.5万円〜6万円で、一軒家の賃貸の場合は、5万円前後で借りられることから、一軒家の賃貸を貸し出せば、今のところ入居者が見つかるのは早いと思われます。


事務所から10分車で走るだけで、結構いい空き家はたくさんあります。

(2017年現在で、全国空き家率は13.5%ですから7件に1件が空き家になりますから当然ですね)

これだけの空き家があって、しかも賃貸物件として需要があるにもかかわらず、なぜ空き家を活用して貸し出さないのでしょうか?空き家の所有者から話を聞いていると、その理由はいくつかあることがわかりました。



①空き家を人に貸し出すには、大規模な改修費用が必要だ。

確かに、人に貸し出すのであれば、最低限のリノベーションは必要です。

しかしながら、水廻りを全てリノベーションしないといけないとか、下水道に接続しなければならない、内装を新品にしなければならないといったことは必要ない場合があります。


現に、僕が運営している空き家活用物件の桃山ノイエは、掃除と照明器具を交換したぐらいなので、総額20万〜30万ぐらいだったと思います。

古い家の分、家賃は相場より安くしていますが、それでも入居者はすぐに見つかりました。

借主側は、古い家でもいいから安い一軒家に住みたいといったニーズを持っている場合があります。

全てリノベーションしないと借主に入居してもらえないと思うより、まずは現状掃除をして活用方法を考えてはどうでしょうか?



②家賃の滞納が心配だ。

毎月支払われる家賃ですが、その家賃を滞納されると大変なことです。

僕が推奨している方法ですが、基本的には、家賃の現金決算はお断りして、銀行の口座振り替えを行ってもらいましょう・借主の口座から決まった日に決まった額の家賃振り込みが行われます。借主側も毎月の支払いを行うことは大変ですから、銀行が自動的に行ってくれると支払いの手間も省けます。


また、賃貸契約をする場合は、本人の身元保証はもちろんのこと、職場の情報と連帯保証人の保障を必ずとります。万が一、家賃の滞納があった場合は、たとえ1日でも、期日が遅れていることを借主に伝えます。一日ぐらい遅れてもいいと借主に思われれば、その後、支払いがずっとルーズになりがちです。そうして家賃滞納の原因につながる前に手を打つことが良いと思います。



③一度貸したら、借主が出ていってくれないのではないか。

また一度貸したら、借主が出ていってくれないのではないかと心配される方 

賃貸を行う場合、賃貸借契約により賃貸の期間や更新内容、退去をする場合の条件など細かい取り決めを行います。お互い条件が信頼して納得した上で、契約書にサインするわけですから、契約条件を破り、出ていってくれない場合は、借主の不法占拠となるわけですから、法的に強硬手段に出ることが可能です。それでも心配だと思われるのであれば、賃貸はされない方がいいと思います。




④ご先祖様から受け継いだ大事な土地と家だから手放すわけにはいかない。

代々ご先祖様が受け継いで来られ、歴史ある土地と建物であることは十分に理解できます。

しかし、誰も住まなくなった空き家を、そのまま放置しておくことがどうしても良いとは思えません。ましてやご先祖様が寂しがるのではないかと思います。

人それぞれの考え方とは思いますが、その土地と建物を有効に活用することも考えられてはどうでしょうか?



⑤建物を人に貸し出すなんて、お金に困っているとご近所に思われたくない。

そもそも、空き家にしているほうが、ご近所に迷惑をかけている場合があります。

雑草の管理や溝掃除といった住環境の管理、火事などの治安問題。。。。。

最近、お客さんからイタチが入るのだが原因を探して欲しいと言われ、家の周りを調べていると、隣の空き家にイタチの足跡と糞を発見。

空き家にイタチが住みつき、ご近所に迷惑をかけているといった場合もありました。


世間体もあるかもしれませんが、家の近所にも空き家があるものとしては、空き家に人が入ってくれた方がいいと思ってしまいます。




空き家の賃貸活用して、10年〜20年後の計画を立てよう。


そのほかにもまだまだネガティブな理由で、空き家を貸し出してくれない場合があります。


現在、一軒家の賃貸としてのニーズはまだまだありますが、あと10年〜20年したら、爆発的に空き家が増えてきて、賃貸のニーズを空き家の数が上回り、空き家を活用することがしにくくなることは目に見えています。そうなる前に、今動かれた方がいいです。


最後に理解していただきたいのは、空き家で一軒家の賃貸として活用した場合でも、大きく稼げるわけではありません。

固定資産税や家の修繕維持費、また将来最終的に、空き家の解体撤去を想定とした費用(150~200万円)を捻出するのに困らない収入源の確保ができれば良しとします。その費用を得るつもりで、空き家活用計画してみましょう。

暮らしのリノベーションbluetoblog

京都 丹後に拠点を置く設計事務所「暮らしのリノベーションblueto」丹後の美しい自然の中で、リノベーション空き家活用を通じて、自分らしい暮らしの提案を行っています。

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